ウェルカムガーデンが色とりどりのチューリップでみなさんを迎える5月頃、「森の花園」の奥にある「森の迎賓館」エリアでは、可憐な春の野草たちが咲き始めます。
ピンと花びらを反り返らせて寄り添って咲いているカタクリ、微笑ましいです。
「木もれびの森」や「潤いの森」「森の博物園」には、オオバナノエンレイソウが咲いています。葉も萼も花びらも3枚づつ、だからTrillium(トリリウム)なんですね。「森の博物園」には、それとよく似たミヤマエンレイソウがあります。
オオバナノエンレイソウは上を向いて咲いているのに対し、ミヤマエンレイソウは横向きに咲くのです。並んで咲いているので、比べてみて下さい。この写真は、お花の終わりかけでしょうか、花びら(正式には萼)が少しピンク色ですね。
園路際のホスタが一斉に葉を広げ始めます。「森の絨毯」に広がる青い小花はオンファロデス・ウェルナです。
秋に少し株分けをしたので、青い絨毯になるように広がってくれるといいなと思います。
そして、森の迎賓館にはもともとこの場所でずっと前から生きていた自然の木々がたくさんあり、5月はその木々たちも徐々に目を覚ましていきます。
一番早くに芽吹くシウリザクラは蕾をつけています。
シナノキの黄緑色の葉は本当にきれいです。
アイヌの人々がこの樹皮でアッシ(着物)を作っていたというオヒョウです。ニレ科の葉は決して左右対称にはならないそうです。
秋にきれいな紅葉を見せてくれるイタヤカエデとハウチワカエデはもう花を咲かせています。
木の花は見逃しがちですが、静かな迎賓館では、じっくり見ることができますので、上も見上げてみて下さい。青空に新緑が映えて美しい姿を見せてくれます。
ナナカマドも蕾です。この後、白い花が咲いて、秋には葉も実も真っ赤になり、冬になっても残っている実に白い雪が積もると赤い実に白い帽子を被ったような可愛らしい姿を見せてくれます。春夏秋冬楽しめる木なので、街路樹でもよく見かけます。
芽吹きの遅いウヤチダモやホオノキがやっと目覚めると、森全体が爽やかな新緑に包まれます。